公開日 2019年2月7日
更新日 2019年2月28日
- 地域
- その他
- 名称
- 荒神様(こうじんさま)
- 所在
- 備考
- 昭和58年2月調べ
- 説明
- 荒神様といえば「火伏せの神様」として広く知られ、古くから火を使う場所では、必ずといってよいほど祀られています。荒神様には内荒神と外荒神とがあります。内荒神には、火伏せの神としてのカマド・カマヤ荒神とカワヤの悪霊を防ぐカワヤ荒神があり、外荒神には、家の方向や鬼門を守る屋敷の神としての屋敷荒神がありますが、一般的には「カマド(クド)やカマヤなどの火伏せの神様」として信仰されていました。昔から火は人間にとって、その扱い方次第で大変有益なものとなったり、又災となったりするところから人々は大切に扱い、火に対して崇めと恐れの念を抱いていました。この心が、広く人々に受け継がれ、荒神信仰という形で現れたものと考えられます。
近年、新築や改築によって台所が土間から高床へ、カマドからガス、電子レンジへと変わり、荒神信仰の形態にも変化が現れていますが、火を大切に扱うという心は今も昔も変わらないようです。カマド使用が一般的であったころ「火が切れる」「飛火する」あるいは「注意力を欠く」ということのたとえから「カマドに切れ物を置くな」とか「カマドの前でけんか口論するな」など、言われていたのが好例だと思います。
日暮れ時になると、家々のカマドから立ち上る煙、それが風にたなびき、あたり一面に何とも言えぬ雰囲気をかもし出していた光景をほとんど見ることができなくなりました。このような何気ない光景の中に、今、失われつつある「ふるさと」はあったように思います。